「ひらめきが業界のセオリーになるまで」を実践する場所
ひらめきを課題解決の手法として具現化し、それをアイデアとして実践し続けることで業界のセオリーになる——株式会社ANDO Imagineering Groupが公式サイトで掲げるこの言葉は、事務所の時間軸を表している。2015年1月の設立から、プレキャスト・プレストレストコンクリート(PC)造の独自手法を案件ごとに進化させてきた軌跡は、まさにそのプロセスを体現したものだ。代表の安藤耕作氏は一級建築士(大臣登録第372779号)であり、構造家として感じてきた業界の課題を、スタッフと議論しながら設計の実践として解いていくことをこの事務所の存在意義と位置づけている。
東京都千代田区六番町、JR四ツ谷駅から徒歩4分のオフィスを拠点に、23名のチームが全国各地の案件を動かしている。「楽しいことを楽しく」という言葉が単なるスローガンでない証拠は、協働者が「毎回チャレンジと実践を続けていくのが一番の楽しみ」と語る点に表れている。
「構造設計は構造だけではない」——4分野16テーマの統合
力学・材料・施工・空間という4分野にわたる16のテーマを一つの建物の中で総合的に考察する——これが株式会社ANDO Imagineering Groupの「構造デザイン」の実態だ。従来の構造設計が安全性の確保を主目的としてきたのに対し、構造の形そのものを空間的・視覚的なデザイン要素として扱うこのアプローチは、意匠設計との役割の境界を曖昧にする。BLOCKS IKEBUKURO(2025年)のPC薄肉ラーメン工法による無柱空間や、代官山スクエア(2024年)の街との二律背反的な調和は、この思想の具体的な結果だ。
「いつも楽しみにしている」「毎回想像以上の提案をしてくれる」という利用者の声が複数届いていることは、提案の水準が一定でなく、毎回更新されていることを示唆している。外部建築家との協働案件が全体の約半数を占めるという構成は、この提案型の設計姿勢を異なる文脈でも機能させる実力の裏付けとなっている。
寺院・駅舎・保育園——異なる用途が磨く構造の引き出し
本照寺納骨堂(佐賀県鳥栖市・2021年)・神戸電鉄花山駅舎と大池駅舎(兵庫県神戸市・2022年)・きたせんり愛育保育園(大阪府吹田市・2022年)——株式会社ANDO Imagineering Groupが手がけた建物には、まったく異なる用途が並ぶ。用途が違えば要求される構造の性質も変わるが、PCa・PC・Steel・RC・Timberを組み合わせながら各案件に固有の解法を見つけ出してきた。狛江メディカルビルディングのVierendeel cantilever構造や、障害者支援施設インマヌエルでのPRCジョイストスラブによる大空間など、構造形式の選択が空間的な個性と直結している。
SDGsに合致する環境配慮型工法への取り組みは、木質材料を活用した北海道の校舎をはじめ、複数の案件で実践として積み重なっている。こうした多様な案件をこなす過程で蓄積された「構造の引き出し」の多さが、この事務所への信頼につながっているという声が目立つ。
「全部できる構造設計者」を育てる環境とチームの実態
構造計算・実施設計・現場監理の全工程を実務で経験しながら、RC・Steel・Timber・PCという全構造種別に触れられる——株式会社ANDO Imagineering Groupのこうした環境は、短期間での成長を可能にする要因として採用面でも強調されている。現在23名(平均年齢38.1歳)が在籍し、建築デザイナー・構造エンジニア・CGデザイナーが一つのチームの中で協働している。「企画・制作を生業にしている私にとっても、とても刺激的な会社」という外部の声は、建築業界外からも注目されていることを示している。
「AIGの第一印象は『異端・異質』。構造家らしからぬ発想・アイデアにいつも感嘆させられる」という協働者の言葉は、この事務所がどう見られているかを率直に語っている。「会話を重ねると必然であるかのように思えてくる」という続きには、発想の飛躍と論理の整合性が共存していることへの驚きがある。


