建物より先に、地域とのつながりを見る
街に新しい場所が生まれるとき、そこに人が集まり、活動が続いていくかどうかは、建物の形だけでは決まりません。株式会社SPROUTZ Studioは、地域拠点や公共的な場所づくりにおいて、多様な人の使い方や地域との関わりを受け止めることから設計を始めます。人の活動やつながりが育つ場を組み立てるという姿勢が、地域に根を張る拠点の土台になります。空間と営みを一体で扱うプレイスデザインの考え方が、その根底で働いています。
この視点は、代表の浅子雄祐の歩みとも重なります。公共建築の設計や地域拠点の企画・運営を経験してきたことが、建物単体でなく地域全体を見る目を育てました。
完成後のにぎわいを、支援としてかたちにする
株式会社SPROUTZ Studioの関わりは、竣工で途切れません。拠点の運営・活性化支援として、地域とのつながりやコミュニティの形成を後押しし、運営体制の構築や共創プログラムの企画に取り組みます。コミュニティデザインや共創プログラム、運営支援といった対応内容は、場所を生きた状態に保つための実際の手立てです。建てた後こそ場所の価値が試されるという見方が、この支援を用意させています。
受賞作の『団地テーブルHANAMIGAWA』は、こうした地域志向の一つの表れといえます。千葉市都市文化賞2025で優秀賞を、日本空間デザイン賞2025で入選とヤングタレント賞を得たこの取り組みは、団地という既存の場所に人の集まりを生み直す試みでした。正直、賞の評価以上に、暮らしの現場へ手を入れていく姿勢そのものに惹かれた。
北欧の文化を広げる活動にも足を運ぶ
株式会社SPROUTZ Studioの社会との関わりは、個々の設計だけにとどまりません。代表の浅子雄祐は2025年に日本スウェーデン建築文化協会を創設し、事務局長を務めています。留学で触れた北欧の建築文化を、自身の仕事を越えて共有し広げていこうとする動きです。サステナブルデザインという思想を、一つの事務所の内側に閉じ込めず、より大きな文脈へ開こうとしている点に、この事務所の視野の広さがうかがえます。東京・文京区根津を拠点にしながら、その関心は全国、そして海外のプロジェクトへと伸びています。


