公共土木を軸にした半世紀超の現場経験
宮城県登米市で公共土木工事を請け負い続けてきた株式会社只野組は、道路や河川、上下水道といった生活基盤の整備を事業の中心に据えている。地元自治体からの発注案件を数多く手がけており、施工の大半が住民の日常動線に直結するインフラ関連の工事だ。現場ごとに異なる地盤条件や周辺環境を読み解きながら、安全管理と工期遵守を両立させてきた実績が蓄積されている。登米市内だけでなく、近隣市町村の案件にも継続的に携わっている。
個人的には、公共工事に特化しているがゆえの現場判断の速さが印象的だった。行政との折衝から近隣住民への事前説明まで、段取りの組み方に慣れが見える。工事期間中の騒音や交通規制についても事前周知を徹底しているため、現場周辺でのトラブルが少ないという声が地元関係者から聞かれる。こうした細かい配慮の積み重ねが、次の受注につながる流れを生んでいるようだ。
1級施工管理技士が現場を率いる組織編成
株式会社只野組の施工体制は、1級施工管理技士の資格保有者が各現場の責任者を務める構成になっている。資格取得に向けた社内支援も設けられており、実務経験を積みながら段階的にステップアップできる仕組みが動いている。若手が現場代理人として独り立ちするまでの期間を短縮するため、ベテラン技術者との同行期間を一定以上確保する運用を取っている。技術の属人化を防ぐ意味でも、この仕組みは機能しているらしい。
管理部門では経理責任者クラスの人材登用を進め、現場と本社の情報連携を強化している最中だ。工事台帳の管理精度が上がったことで、原価の把握や資材発注のタイミングに無駄が減ったと感じる社員もいるという。世代交代の過渡期にある建設業界のなかで、経験の継承と業務の標準化を同時に走らせている点は、中小規模の建設会社としては珍しい取り組みに映る。
休暇制度とチーム体制で長期就業を支える
建設現場は体力的な負荷が大きい仕事だが、株式会社只野組では休暇の取得しやすさに力を入れている。週休制度の運用や有給取得の促進により、繁忙期であっても一定のリフレッシュ期間が確保される体制を敷いている。現場単位でスタッフ同士がカバーし合う風土が根づいており、急な体調不良や家庭の事情にも柔軟に対応できる環境が整えられている。
「公共工事だから、自分が手がけた構造物を日常的に目にする機会がある」という声がスタッフから上がっている。通勤路の舗装や近所の側溝整備に自分が関わったと実感できることは、デスクワーク中心の業種にはない独特の手応えだろう。求人情報でも施工管理職を継続的に募集しており、地元で技術職として腰を据えたい層からの応募が一定数あるようだ。
発注者との長期的な関係が生む受注の安定性
品質管理と納期厳守を繰り返すことで、株式会社只野組は発注元である行政機関との間に継続的な取引関係を築いてきた。工事完了後の検査で指摘を受ける件数が少ないことが、次年度以降の指名入札で有利に働いている。登米市周辺の同業者が減少傾向にあるなか、地元に事務所を構え即応できる体制を維持していること自体が、受注面での優位性になっている。
新しい施工技術や測量機器の導入にも段階的に取り組んでおり、ICT施工への対応を視野に入れた設備投資が進んでいる。従来の手作業中心の測量から3次元データを活用した工程管理への移行は、まだ途上ではあるものの、若手社員を中心に操作研修を実施中だ。地場の中小建設会社がこうした技術投資に踏み切る判断は、今後の受注競争を見据えた布石として注目に値する。


