20代から60代まで、設計を担う技術者たち
機械設計の現場では、経験の長さが図面の読みの深さに表れます。大和製作所には、20代から60代まで年代の異なる技術者が在籍し、同じ案件を囲みながら手を動かしています。年齢の壁を感じにくいフラットな空気のなかで、ベテランの勘所が若手へ日常的に受け渡されています。わからないことがあればすぐ隣に聞ける距離感が、技術の継承を自然なものにしています。
経験者にとっても、別の世代の視点が入ることで図面の見直しが利きます。一人で抱え込まず、現場で声をかけ合いながら設計を詰められる環境です。1972年の創業以来、こうした人の近さがものづくりを支えてきました。
CADと現場、両方から磨く技術
大和製作所の設計は、CADを使った製図を基礎にしています。ただ図面を描くだけでなく、部品の選定から組立工程での調整まで一人の技術者が関わるため、現場で通用する知識が実務のなかで積み上がります。加工や組立の様子を自分の目で確かめられるので、図面へ反映できる実践的な感覚が養われます。設計と製造が地続きになっている点が、この会社の技術者の育ち方を形づくっています。
業務に必要な資格については、取得にかかる費用を会社が負担する支援の仕組みがあります。経験者がさらに技術を深めるのはもちろん、未経験から入った人も段階を踏んで専門知識を身につけられます。
正直なところ、取材で感心したのは、設計者が加工や組立の現場にごく自然に出入りしていたことでした。机上の設計と実際のものづくりが、ここでは一本につながっています。
一貫体制だから積み上がる経験
大和製作所は、設計から加工、組立、据え付けまでを自社の工場で担っています。図面を描いた本人が完成まで追えるため、描いた線がどう形になるかを知ったうえで次の設計に臨めます。産業機械や省力化設備を完全オーダーメイドで手掛けるこの会社では、一台ごとに前提の異なる仕事が技術者の引き出しを増やしていきます。食品の搬送装置や自動車関連の設備など、分野をまたいだ依頼が経験の幅を広げます。
拠点は静岡県焼津市田尻にあり、国道150号線が近くを通る立地です。設計や製造は焼津で行いつつ、据え付けや調整のための国内外への出張もあります。代表は岡崎隆昭氏、創業からおよそ50年にわたり静岡でものづくりが続いています。


