すべては、じっくり話を聞くところから始まる
ロゴづくりは、手を動かす前の対話がものを言う。CHICSの制作は、代表の想いや事業の向かう先を丁寧に聞き取るヒアリングから幕を開ける。初回はビデオ通話ツールを使ってオンラインで行い、その後のやり取りも電話やメールなど、使いやすい方法を選べる。対面を望むなら東京・世田谷区北沢の拠点へ来店することもでき、話し方の入り口を相手に合わせて開いている。
聞き取った内容は、そのまま一人の担当者が最後まで抱えていく。ヒアリングから納品まで担当が替わらないため、最初のニュアンスが伝言で目減りする心配がない。北海道から沖縄まで全国どこからでも依頼でき、離れていても画面越しに同じ密度で話を詰められる。距離ではなく、想いをどこまで掴めるかが仕上がりを左右する。
数を絞り、納得いくまで描き直す品質の担保
CHICSは引き受ける案件を、毎月6件までに限っている。数をこなすより一社に深く潜るための線引きで、品質を落とさないための約束事でもある。デザインは一からのオーダーメイドで立ち上げ、テンプレートに寄せることをしない。個人的には、月6件という枠と手描きの徹底が噛み合っている点に、看板倒れでない誠実さを感じた。
提示されるデザインは、2案から3案が基本になる。制作中の修正に回数の上限はなく、納得のいく線に届くまで描き直しに応じてくれる。複数の案を気に入れば、追加料金ですべてを引き取ることも頼める。急かされずに詰められるぶん、社内で意見を揃える時間も取りやすい。
相談を寄せるのは、事業の節目に立つ人たちだ。飲食店の新規オープンや不動産会社のリブランディングのほか、周年の記念に合わせた相談も多い。焼肉店sublocの展開ツール各種のように、ロゴから各種ツールまでを一続きで求められる案件もある。用途の多い依頼ほど、最初に固めたVIの一貫性が効いてくる。
発注の前提から契約まで、先に開示する誠実さ
条件を後出しにしないのが、CHICSの流儀だ。無料の提案は行わず、発注のうえで料金の50%を入金してから最初の提案が動き出す。金額も段取りも打ち合わせの冒頭で示されるため、途中で予算がぶれる不安が小さい。守秘義務契約や業務委託契約の締結にも応じるので、社外秘を含む案件でも安心して預けられる。
納品して以降も、CHICSとの関係は切れない。ロゴを活かした名刺や封筒の印刷まで一括で受け持ち、媒体が増えても見え方が揃うよう整える。データ管理を徹底しているため、在庫が切れても電話一本で増刷を手配できる。作って渡す一度きりの取引にしないところに、腰の据わり方がよく出ている。


