三十数年の現場経験が生んだ設計の厚み
代表自身が数百棟の住宅建築に携わってきたという経歴は、株式会社ファンビルドの設計提案に直接反映されている。施主との対話のなかで意見をぶつけ合い、互いの考えをすり合わせながら一棟ずつ形にしていく進め方が基本のスタイルだ。「私にとってのいい家が、お客様にとってのいい家でありますように」——代表が掲げるこの言葉は、打ち合わせの場で繰り返し口にされるという。2015年の設立以降、神戸市北区広陵町を拠点に地域の住宅需要と正面から向き合ってきた。
個人的には、施主と設計者が対等に議論できる距離感を保っている点が印象的だった。大手ハウスメーカーでは営業担当と設計担当が分かれるケースが多いが、株式会社ファンビルドでは代表が直接プランニングに入る。要望のヒアリングから図面への落とし込みまで一人の視点が通っているため、途中で意図がずれにくい。打ち合わせは事務所のほか現地や公式LINEでも対応しており、駐車場3台分を備えた事務所は9時から18時まで日祝を除き稼働している。
吹き抜けと回遊動線で組み立てる木造住宅
陽光が天井から落ちてくる吹き抜けの設計に、株式会社ファンビルドは特に力を入れている。天井高を活かした開放的な空間構成は木造住宅の良さを引き出す手法のひとつで、自然光を室内の奥まで届ける工夫が随所に見られる。回遊動線を組み込むことで生活のなかでの移動効率も確保し、見た目と実用性を同時に成立させている。内装から家具の選定まで統一感のあるコーディネートを施し、一邸ごとに異なる表情を持った住まいに仕上げる。
施工事例のなかには、運動公園や森林公園が隣接する住宅街に建てられた「365日別荘で暮らしているかのような住空間」と表現される物件もある。街を見下ろす立地に建つ住宅や、住宅地のなかでありながらリゾートの空気感を纏った一棟など、ロケーションの特性を設計に取り込むのが得意なようだ。「外観を見たときの存在感と、玄関を開けたあとの驚きが全然違う」という声が施主から寄せられているという。
耐震等級3と24時間換気を標準仕様に据える理由
耐震等級3の取得と地盤調査の実施を全棟で標準としている。この2つを基本ラインに置くことで、構造面での不安要素を設計段階で排除する考え方だ。株式会社ファンビルドは24時間換気システムも標準装備に組み込んでおり、外気を取り入れながら室内の汚れた空気を排出する仕組みでシックハウス対策を講じている。省エネルギー性能と空気環境の清潔さを同時に確保するこの構成は、長期間住み続ける住宅にとって合理的な選択だろう。
新築住宅だけでなく、内外装リフォームや店舗施工にも対応領域は広がる。兵庫県知事による建設業許可と宅建業免許を取得済みで、公益社団法人全日本不動産協会・近畿圏不動産流通機構・不動産保証協会にも所属。保証制度についても複数用意されており、引き渡し後のトラブル対応まで見据えた体制が整っている。新築時の仕様選定からリフォーム相談まで同じ会社に頼めるのは、長い目で見たときの安心材料になるはずだ。
施主との距離感がつくる「納得の一棟」
株式会社ファンビルドが手がける住宅は、設計・内観・外観・耐震・換気・デザインのすべてに施主の意向が反映された一点ものだ。カタログから選ぶ規格住宅とは異なり、間取りの細部から外壁の色味まで打ち合わせを重ねて決めていく。そのぶん工期や手間はかかるが、「自分たちの暮らし方がそのまま形になった」という実感が残りやすい。大自然のなかの別荘をイメージした住宅など、施主の発想を起点にした施工事例がいくつも並ぶ。
「最初は漠然としたイメージしかなかったのに、打ち合わせを繰り返すうちに自分たちが本当に求めている家の形が見えてきた」と話す施主もいるらしい。こうした声が出てくる背景には、代表が三十数年かけて培ってきた対話の蓄積があるのだろう。ライフスタイルの変化を見越した提案や、土地の条件を最大限に活かすプランニングなど、経験値がそのまま設計の引き出しになっている。


